上海語は淘汰されずに生き残れるのだろうか
上海語は淘汰される?
中国語を勉強し始めてからだと思う、普通語と上海語が全く違う言語だと強く思うようになったのは。それ以前は、上海語を方言の1つだと認識していた。しかし、自分の耳で聞くと方言どころではなく、まったく別の言語として認識するほうが正しいのではないかと思うようになった。上海語は上海人が話す言語だ。地方から上海に移住してくる人たちは話せない。ずいぶんと前から上海には地方からの移住者、出稼ぎ者が多いと聞いていたので、いつか上海語無くなるのでは?という話を妻としたことがある。漠然とした感覚だったが、最近公開された統計をみると現実味を帯びている気がしてきた。
増加人口中の外来人口が占める割合は85.7%になった上海市常住人口2415万人に~増加人口85%は外地人 :エクスプロアWhat's New in 上海
上海語を保存しようとする試み
上海語が無くなるのでは?という懸念は、外国人である自分が持っているぐらいなので、当然現地の人もその懸念を持っている。偶然見かけた次のニュースを簡単に紹介したい。Shanghai kindergartens to promote local dialect - China - Chinadaily.com.cn
- 20の幼稚園で子供たちに上海語を話すよう奨励する実験的な施策が行われる。
- 政府の組織も上海語が消えるという懸念を持っている。
- 具体的にどんなことするの?授業の合間やゲームで上海語を使います。
- 施策は主に若い子に向けて考えている。
- こういう試みに対して、ネット調査によると、60%の人は賛成。
- the Shanghai Academy of Social Sciencesの数年前の報告によると上海の学生のうち6割は上海語を理解できる。
- しかし、昨今ではほとんどの学生が上海語話せない。先生も話せない。
- 2012年上海語の本作って課外授業や趣味として使った。評判よかった。
- バスやメトロなどの公共交通機関でも上海語を奨励していく。
うーん、問題に対する施策が弱い気がするのは気のせいか。話せる人増えそうもないし、人の記憶に言語の存在を残す、そんな程度にしか感じない。かといって、具体的な案が思いつかない。どうすればいいんだろう。正直、上海人の実生活に触れた次のコメント読むと、上海語の淘汰は不可避なんじゃないかと思える。
"The mother tongue is the first language a person learns from birth. I grew up with the dialect, but my son doesn't speak it. I used to insist on speaking the dialect with my son at home, but he soon shifted to Putonghua, which was spoken in kindergarten," said Wang Yajing, a Shanghai resident.
若い子に向けて対策しても、子供は友人と上海語で話さない。家の中でだけ話すなら、その子供が大人になって上海人以外の人結婚した場合、どうなるか?家庭内は普通語だろう。こうして話す人はどんどん消えていく。これは私自身の家庭もそうだ。相方は上海人だが家では日本語がベースだ。だから子供は上海語を話せるようにはならないと思う。
淘汰が不可避なら、せめて体系化して学術的な保存、記録をしておくべきだ。自分が知らないだけで、既にそういう動きがなされていることを願う。
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